#4 野菜の砂糖漬 梅鉢屋

​新鮮な野菜を何日もかけて砂糖で煮詰め、絶妙のタイミングでサラリと仕上げました。職人技がなせる逸品。やみつきになること間違いなし。ここ梅鉢屋でしか手に入りません。

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「お客さまはいつも待って下さっていますが、店自体は年々やりづらくなっています。」どういうことか尋ねると、この数年でめっきり材料を揃えにくくなってきたとのこと。丸山さんは、砂糖漬に使う野菜を以前は昔馴染みの八百屋さんで買っていたそうですが、そのお店が店を畳み、紹介された八百屋さんがまた店を畳み…と、ついには近所で野菜が手に入らなくなってしまったそうです。今は丸山さん自ら、市場まで買い付けに出かけています。同様に、箱、包装紙なども小単位の融通が効く仕入先がどんどん無くなっているとのことでした。「意地で商売を続けているようなものですよ。」と丸山さん。野菜の砂糖漬を専門とするお店は今や梅鉢屋さんだけ。下ごしらえから仕上げまで全てが手作業。その理由は「砂糖漬はレシピが作れない、機械化できないもの。」なのだそう。野菜は季節によって、また産地が違うだけでも水分量が全く違うので、その都度煮込む時間や砂糖の量を感覚で調整しているのだそうです。

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10月、東京下町で江戸時代から伝わる「野菜の砂糖漬」の技を受け継ぐ梅鉢屋さんを訪ねました。ちょうど地方へ出かける用事があり、気の利いた東京みやげに最適な「野菜菓子」詰め合わせ・小の箱(税込・1296円)を購入。快く出迎えて下さった店主の丸山壮伊知さんにお話を伺いました。

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まずは新鮮な野菜をカットし、糖度を低くした状態の鍋で煮込みます。次第に25%、50%と次第に糖度の高い鍋に移し替え、何日もかけてじっくりと煮詰めていきます。丸山さんの野菜の砂糖漬は、ついつい何度も手が伸びてしまう軽やかなサラサラ感が魅力。

野菜の水分が少しでも残っていると鍋からあげた後に水分が滲み出てベタついてしまいます。サラサラ感が出るギリギリまで野菜を煮詰め、引き揚げるタイミングを見極めるのが職人技。椎茸、牛蒡、蓮根、セロリ、トマト、茄子、生姜、大根等々、どの季節にも15種ほどの野菜を揃え、その特性に合わせて煮込むには、なるほど機械化は無理かもしれません。上品で食べやすく、てらいのない野菜菓子は「江戸の珍しいお菓子」としてお茶席や慶事仏事、お土産にと、全国に根強いファンを広げています。

「お菓子は人の心に余裕が生まれて初めて手にとってもらえるもの。」という丸山さんは、ここ最近、度重なる自然災害や忙しすぎる毎日で日本人がどこか心の余裕をなくしているように感じています。

「そういう時は売り上げは伸びなくて当たり前。うちのお菓子は有名になってはいけないんです。」

浮世の流れを見つめながら、伝統の技を真面目に守り続ける丸山さんに、江戸っ子の心意気を感じました。

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もちろんお土産だけでなく、自分用にもひとつ買いました!他のお菓子と違い、姿形を見ていると煮物でも盛り付けている気分になります。しかし、熱めの日本茶と一緒に蓮根、牛蒡、椎茸…と、野菜それぞれの滋味が凝縮された色とりどりのお菓子を、ちょいとひとつつまみ始めると、あれもこれもともう止まらなくなる、魔力たっぷりのお菓子なんです。ぜひ一度、ご賞味ください。このネットからお求めいただけますよ。

(担当ディレクター:越 美絵)

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